第三節 入学手続き

生徒はあらゆる関係者から親ー幼児プログラムを紹介される。小児科医、耳鼻咽喉科医、地域の病院、そして保健センターが紹介する例が多い。過去数年では親|幼児プログラムの子どもの多くが両親が聾であったために、デフ・コミュニティが紹介してきた例もある。ワシントン特別地区にあるギヤローデット大学は聾者のためのセンターである。その結果、多くの聾成人が大学で学び、結婚し、ワシントン特別地区周辺に住んでいる。聾児をもっギヤローデツト大学の卒業生は概して自分の子どもをケンダル聾学校に通わせる(従って、親ー幼児プログラムに登録する)。ケンダル聾学校は米国の他の聾学校よりも両親聾の比率が高い。米国では、両親聾の子どもの登録の平均は五%程度である。しかし、ケンダル聾学校では、子ども全体の二二%が両親聾である。親ー幼児プログラムに登録している家族の多くは、家族に聾の兄弟をもっている。また、親|幼児プログラムに登録した両親のほとんどが聾者である(毎年、登録する家族のうちの六Oから八O%に相当する)。こうした背景があるために、登録した家族に特徴のあるプログラムを時間を充分に与えながら子どもと家族がいっしょにかかわる機会も多く、利点もみられる。
ケンダル聾学校の入学資格には重要な二つの基準がある(親ー幼児プログラムを合む)。まず第一の基準は、抹消性聴覚障害で、普通学校プログラムで子どもの教育の遂行をひどく妨げるような聴力損失を有することである。これは、少なくとも良耳で中等度から重度の損失である。二番目の基準は年齢である。ケンダル聾学校の入学応募者は生後から一五歳までとされている(両親幼児プログラムは生後から三歳までである)。他のプログラムを選択できない生徒にかぎって、年齢の基準そ超えても一年間だけケンダル聾学校のプログラムにとどまることが許される。もちろん、これは、年長の児童だけに適用される。
この二つの基準に合致した子どもは、すベてケンダル聾学校に入学が許可される。さらに、次に示される三つの配損事項がある。

1 住居――生徒は米国の法的居住権をもたねばならない。そして、首都圏内に親あるいは法的後見人と住まねばならない。
2 交通――交通サービスは首都圏内半径一五マイル内に住む生徒に実施される。しかし、特別な地理的条件にあ
る生徒には交通ルートに制限がみられる場合がある。水曜日の午前中の親-幼児プログラム指導に参加する時には、両親が子どもの交通の責任をももっ。親i幼児プログラムの教師は、毎週、予約を行って家庭訪問をする。その時には、学校の自動車または教師の車を使う(旅費手当が支給される)。
3 免疫――学校に入る前にすべてのこどもは免疫を受けていなければならない。

1 二次障害
二次障害がある聴覚障害児でも、もし、教育的ニーズが主として聾に関係しているならば入学が考慮される。また、ケンダル聾学校の教育的・援助サービスプログラムが、子どもの特殊なニーズにあうならば入学が考慮される。以下に示す領域に障害をもっ生徒は入学が考慮される。
(一)知的機能――適応行動と知的機能の水準が軽度以上、あるいはその範囲内である。
子どもが視覚象徴体系(手話言語)を使う能力を示している。このことは、言語習得に関係があり、読み書き技能の発達につながっていく。
(二)情緒あるいは行動上の問題ーーー情緒あるいは行動上の問題をもっ子どもは、プログラムの措置が考慮される。
情緒あるいは行動上の問題は、調和のない行動、短い注意時間、注意散漫、かんしゃく、社会からの軽度な引っ込み思案等である。極端な攻撃あるいは引っ込み思案のような精神病的行動を一示す聾児は、このプログラムには適していない。
(三)整形外科的問題ーー整形外科的問題をもっ子どもでも歩くことができ、車椅子で学校を自由に動きまわれるならば、このプログラムが受けられる。子どもがこのような装具を伴ったとしても体育と特殊な指導を制約することはない。関連した支援サービスである理学・作業療法が有効である。教育の原則的な目標は、整形外科的問題よりも聴力障害の改善にあわせなければならない。
(四)視覚――視覚的制約がトータル・コミュニケーションアプローチを妨げず、聾児の学級で視覚媒体を用いても大丈夫である程度の視覚障害をもっ聾児は、このプログラムを受けられる。点字や触覚手指コミュニケーションのような特殊な道具を必要とする子どもは、盲聾のプログラムに参加する方がよりふさわしい。
(五)特殊な学習上問題――知覚障害、記憶と再生の問題、協応困難などの神経的な問題を示す聴覚障害児は、このプログラムで考慮される。自問的あるいは失語症的である子どもの教育ニiズは、聾とは関連がないので入学者としては適当ではない。
二次障害をもっ生徒は試行として三カ月間、入学が許可される。三カ月間の試行で適切な教育措置の勧告がなされる。

2 応募手続き
入学の応募は、一年中いつでも行うことができ、そのつど、評価が行われる。ケンダル聾学校は教育措置がなされていない子どもをできるだけ早く入学させようとしている。すでに他のプログラムにいる生徒やケンダル聾学校に転校したい生徒のために九月、一一月、一月、二月は特別な入学日が設けられている。一般的には三月二五日を過ぎてから入学を希望する生徒は、新年度の九月までは登録されない。もし、空きがあったり、生徒が他のプログラムに参加していないようであれば、一二月二五日の締め切り日が過ぎても措置が考慮される。

3 評価
評価は親―幼児プログラムの子どものすべてに行われる。充分な評価を行うには、しばしば通常に計画された評価よりも時聞が多くかかる。そのためにある領域の評価は、子どもが入学してからもずっとつづけられる。
家族と最初に接触している問、評価チームは評価を行った聴覚障害児が親ー幼児プログラムに適切かどうかを決定しようとする。インテークチームは、聴覚検査がどこかよその場所で行われた後に子どもを見る場合もあるし、最初の診断をケンダル聾学校で行うこともある。もし、正式な聴覚評価が終わっていないならば、すぐに、検査を行うことが勧められる。というのも、聴覚評価が入学基準だからである。話しことばと言語の遅滞が聴力損失の原因ではないことがしばしばある。特に、両親聾の子どもたちにおいては、正確な聴覚評価を得ることが大切である。最初のスクリーニングは、インテiクチームが聴力損失程度を決める機会となる。親ー幼児プログラムの入学希望者は、聴能士以外にも話しことば/言語病理専門家や心理専門家と面談する。教育的診断専門家は、心理専門家といっしょに子どもを評価する。親は、社会福祉専門家あるいはカウンセラー、看護婦と面談する。もし、二次障害が予想され、それに気づいたならば、子どもを評価するために作業療法士あるいは理学療法士に来てもらう。予備的な診断はしばしば複雑な仕事であり、詳細な医学、家族、発達に関する情報を必要とする。完全な評価暦、専門家の観察、正式・非正式な検査は子どもの長所、短所の様子を知るのに役立つ。これらのことを基にして教育的ニーズが導きだされ、プログラムが計画される。

4 評価歴
評価歴は学校看護婦やカウンセラーや社会福祉専門家の援助によってなされ、多くの内容を含む。妊娠前後と幼児の発達に関する生育歴は親から得られる。特別な日や発達的な一里塚を合む発達に画期的なできごとが記述される。大部分の家族歴や子どもの環境が聴覚的環境、言語入力、行動の期待、話しことばの使用、使用されている手話言語の型式に関連させながら大部分の家族暦や子どもの環境が調べられる。さらに、子どもの聴覚的反応と言語的行動は、両親と話しあって論議される。
専門家はしばしば、両親が記入する質問項目表を使う。その項目には、子どもの毎日の日課や子どもと家族の両方の習慣が示してある。社会歴と医学歴は重要である。それは、兆候や特徴と同様に病因論に関する本質的な情報が得られ、臨床的知見を実証したり、焦点化できるからである。子どもがもっともよく機能している条件を見つける作業で臨床家に役立つものは、行動を観察して報告した子どもの発達水準である。生育史は神経学的、耳鼻咽喉学的あるいは眼科的検査のような医学的検査がさらに必要であることを示唆している。インテークの際の職員配置は、専門家が相互に協議しコミュニケーションを必要とする。

5 話しことばと言語の評価
診断過程では話しことばと言語の評価は欠くことができない。正式・非正式的な検査がインテーク時になされ、話しことばと言語の発達の資料は、親ー幼児プログラムの子どもの指導時聞に集められる。話しことばと言語の機能の最初の評価は教育計画、処置、管理のための基礎資料を与える。非正式的な評価をしている問、ビデオテープは家族の最初の評価期間の親と子どもとの相互作用を観察するためにしばしば使われる。このビデオテープは発達を測定する基礎として役に立ち、進歩を示すことができる。言語的コミュニケーションと同様に、非言語的な子どもの相互作用も調べられる。親子で言語が使用された時、子どもと親の強化、相互作用(役割取得)、非言語的な手がかり、身振り、そして顔の表情などの領域が観察される。どのような言語入力が発達するかということと同様に、語葉と言語学的構造の型が記録される。さらに親が子どもの反応をどのように取り扱うかも同様に記録される。親が場に関係させ、行動の指示に従うような短くて簡単な句を使用しているかが調べられる。非形式的言語標本と相互作用の技法に加え、標準化された評価が行われる。たとえば、プゾーリーグ受容表出言語尺度(REEL)(プゾーリーグ、一九七O)、言語文法分析(GAEL)(ムーク、一九七七)、そしてスカイハイ言語発達尺度(ワトキンス、一九七九)である。さらに、話しことば/言語病理専門家が、親|幼児プログラムの入学を考えるために幼児用チェックリストを開発している(付録五ーA)。この質問項目表は、子どもの情緒、基本的な言語の使用、運動技能、社会性の発達そして、睡眠パターンの情報を合んでいる。このような正式な検査用具は受容と表出の発達的言語水準を一示し、正常な健聴児と比較することができる。ガエル(GAEL)は聴覚障害児で標準化したもので、評価者が聴覚障害児同士を比較して水準を見ることができる。話しことば/言語病理専門家が開発したりストは、話しことばと言語の領域よりも技能の観点から子どもを全体的に見ることができる。
非正式・正式な検査は、話しことば/言語病理専門家が親ー幼児プログラムに子どもが適切かどうかを評価するための基礎資料を与え、親ー幼児教師に計画の勧告を与える。

6 心理学的/教育学的評価
幼児を評価する時、絶えず心理専門家と教育的診断家は協力して評価資料を得る。正式・非正式な検査の両方が使われる。スタッフの観察は子どもの知的能力をさぐるのに役立つ。スクリーニングは子どもが周囲と関係をもつことができる正式・非正式条件でなされる。臨床家は、はっきりとした反応を引き出すように意図された玩具、本、正式な検査用に作られた項目を子どもに示す。子どもはその器具を扱うことができ、その問、行動が記述される。
年少児に心理学的/教育的評価を行う際には、心理専門家/教育的診断家はこどもの全体を評価しようとし、行動的な機能の異なった領域〈認知、運動など)に厳密な境界線を作らない。心理専門家と教育的診断家は、これを行うためにいろいろな方法を用いて努力する。まず、評価は二人の検査者が同席していっしょに行い、検査課題を交互に示す。検査者の一人が子どもに検査を行っている問、もう一人の検査者が検査の記録表を揃え、検査者が何を言っているのかを書いたり、行動観察を記録したりする。次に、検査が終わった時、二人の検査者が手短かにあい、検査結果を話しあう。その後、子どもの全体的な発達の機能を示す総合的な報告書を共同で作る。
検査の問、実際に検査者は標準化された診断評価器具ゃそうでないものなどたくさん使う。一般的にもっともよく使われるものの一つとして、ベーリー幼児精神発達検査ミーリー、一九六九)がある。これは子どもの全体的な成熟水準を示す検査である。この検査は、聴覚障害児で標準化されていないので、話しことば/言語能力を必要とする項目には重きを置かない。ケンダル聾学校の検査者はこの検査の言語に関連した課題を取り除いていった時、この検査が子どもの機能をあまり偏らないで評価していることを見出した。検査者は二歳以上の子どもには、ベーリー幼児精神発達検査の尺度と何らかの点で似ている次の三つの発達尺度のうちの一つを使う。それは、
(一)メリル―パーマー精神検査(一九七二)――この検査は健聴児で標準化されたものでベーリー(一九六九)の実施手続きと同様な方法で聴覚障害児に行う。
(二)スミスージョンソン非言語性尺度(スミスとジョンソン、一九七七)――これは年齢が二歳から四歳の聴覚障害児に開発され、標準化されたものである。検査者は、スミスージョンソン非言語性尺度の項目の中には適切な基準枠をもっていないために、利用できないものがあることを見出している。
(三)発達的活動スクリーニング質問表(教育資料会社、一九七七)――これは教科前の作業技能に重きを置いた簡単な発達的機能検査尺度である。これは年少児の教科前技能水準をみるためにはよいスクリーニング検査である。
検査者は、しばしば子どもの社会適応機能に関する情報を集めたいと考えている。これは、子どもが精神遅滞である疑いがある時に特に重要である。ここで必要とされる情報は、一般的にはパインランド社会成熟度尺度(ドル、一九七五)で集められる。この検査も聾児で標準化されていないが、検査項目の中で比較的、言語に関係のない活動があるならば聾児に使うことができる。
運動機能は年少児の行動の重要な側面である。この情報は非公式に子どもが指導時間の活動に携わっている間に集められる。検査者は遊戯活動の問、子どもの歩きぶり、粗大運動、そしてバランス技能の観察を行う。精轍運動と知覚運動行動の観察は、実施される多くの評価測定の中で行われる。たとえば、発達尺度の中には、絵を描く項目を合んでいたり、検査者に幾何学的デザインを描いたり、模写するような知覚的精轍運動技能に関する情報を合んでいる。ときおり、検査者は運動機能の詳細な評価を望んでいる。それは、検査者が検査以外で反応する子どもの特徴の様式に確かなものを得ていないからである。この種の情報は、ベーリー幼児発達尺度ミーリー、一九六九)の運動尺度のような正式な発達尺度を実施することにより、たやすく得ることができる。同じ情報は、プリガンス基礎技能診断質問表(プリガンス、一九七七)のような行動の項目質問表を使用して、親あるいは後見人の報告からも集められる。
重複障害をもった子どもを検査するには、検査者に特別な挑戦を与える。そのためには、いろいろな方法が試される。まず、第一に検査者は、二次障害がある子どもに不利にならないような、標準化された検査器具の中から方法を選ぶのが一般的である。たとえば、脳性マヒと聾をもった子どもは、マッチング、分類、連続を合んでいるスミスージョンソン検査(スミスとジョンソン、一九七七)の一部を実施してみる。しかし、この検査は絵を描くといった活動はないが、一般的な発達遅滞よりもむしろ筋肉の痩撃が課題の遂行の妨げになる。特に、盲聾児に検査を行う時には、カリーアズサ(特殊児童協会、一九七八)のような特別な検査器具を使って行うこともある。これは、重複障害の聴覚障害児を母集団として標準化した発達尺度である。
心理発達の順序尺度(ユグリスとハント、一九八O)はすべての幼児に検査でき、ピアジェ学派の考え方を基にした評価器具である。この評価器具は生まれてから二歳半の幼児に適用され、ピアジエ(一九三六、一九五二)が確立したシェマに基づいている。感覚運動と認知能力は、子どもが玩具や手先を使うものを扱った時に調べられる。質問項目型の検査の道具は身振り使用、言葉の模倣などを調べる時に使われる。そして子どもは、ピアジェが見出した段階に関連して発達的に調べられる(ピアジェ、一九三六、一九五二)。
心理的・教育的評価は、インテーク・チームが子どもの予想される認知水準と感覚運動機能の見通しを与える。発達に関する情報は、子どもが成就し、楽しむ活動を親―幼児教師が親といっしょに計画を作るのに役立つ。

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