第七節 ケース報告

CSは、二歳半の時センターに来所し、保育所に入所した。生後九カ月に聴覚障害が発見され、ただちに両耳に補聴器を装用した。重度の聴覚障害であった。
家族は健全でよく話し、CSは、年齢水準の社会性と話したいという意欲を身につけていた。大家族のため、両親が夜間の会合に必ず出席するのは困難であったが、毎回出席していた。両親は流暢に手話ができるようになり、二つの両親グループに積極的に参加していた。講義を聞く、またCSの話しことばや言語が発達する過程を継続的に見守るセッションである。家族で手話を学習したが、両親は最良の口話法技能を身につけさせたいと強く願っていた。CSは頑固で意志が強く、内面に強い意欲をもち、わずかな残存聴力を読話の補いにしていた。この子の読話技能はたいへん優れており、会話を楽しみ、めったに欲求不満になったり話しことばから逃避したりすることはなかった。このCSはまさにパイリンガルであり、健聴者とは口話を、聾の友だちには手話を使っており、必要な時はトータル・コミュニケーションを用いていた。
CSは、たぶん口話法プログラムでも成功したと思われるが、両親は語葉の学習のために手話ができるようにしたいと考えたのである。われわれは、トータル・コミュニケーションによる否定的な影響を見出すことはできなかった。CMは三歳で障害が発見された。両耳とも中等度、または高度の聴覚障害児である。はじめて評価した時、彼の話しことぼや言語はたいへん遅れており、要求を知らせるために身振りを使っていた。
彼は保育所でよく適応したが、明瞭な話しことばを獲得した後でも手話を使っていた。このようなことは、いったんきれいな話しことばを獲得し、話そうという意欲をもっている子どもには見られないことであった。
彼は卒業して、BOCESの口話法プログラムに入学した。CMはよく適応していたが、われわれは、はたしてトータル・コミュニケーションが最善の方法なのだろうかと考えた。以前使用していた身振りのパターンにリードされ、話しことばが消失するような傾向が見られたからである。話しことばの使用を嫌がることも観察されたのである。
ところが、CMはプログラムを通じて自信をつけ、急速に言語を理解しはじめるようになった。そして、トータル・コミュニケーションが、以前の困難さを克服して彼を援助するようになったのである。そこで、われわれはまた、もし、彼がトータル・コミュニケーションを行わなかったとしたら、このように急速な進歩が実現できただろうか、と考えつづけた。なぜなら、彼は手話を獲得するのに先だって身振りを用いたために、彼自身が理解するのに充分な口話法技能を獲得するまで身振りをつづけたのではないか、という可能性があるからである。
一般に、強く要求できる子どもの方が、要求できない子どもよりもより注意を引くといわれている。強く要求する両親の子どもも、彼らが必要としているか否かにかかわらず、注意を引きやすいともいわれている。また、受身的な子どもは活動的な子どもより、コミュニケーションの機会が少ない傾向がある。恥ずかしがりゃで無口な子どもについてくれるボランティアを探すことが困難である、というのも定説である。なぜなら、よく話す子どもの方が頻繁に人の気を引くからである。
以前は、触刺激を用いるトータル・コミュニケーションというものはなかった。しかし、骨動補助具を常に、または長時間つけることによって、重度聴覚障害児が、自分のまわりで何が起こっているのかに気づくようになっている。このことは、子どもたちゃ職員に対して勇気を与えてくれる。たとえそれが困難であっても、音や話しことばの反応を引き起こすために努力してはどうだろうか。

一方、問題のある子どももいる。しかし、両親と職員は、一つの挑戦としてその子を受け入れている。Cは、重度聴覚障害の三歳児で自閉的傾向があり、職員、友だち、家族とかかわることが難しかった。一週間に数時間保育所へ通ったが、彼にはほとんどすべての時間、いっしょにかかわってくれる援助が必要であった。彼は常同行動があり、ときたま意図的またはおうむ返しの発声と、二、三の手話を行っていた。はっきりとした進歩は見られるが、きわめてゆるやかである。

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